お尋ね者発見イベントを作る

マップは、基本的にプレイヤーキャラクターの動きに合わせてスクロールするのですが、プレイヤーキャラクターの位置を変えずにマップをスクロールさせることも出来ます。そこで、マップをスクロールさせる方法と、それを使ったイベントの作成例を紹介します。

 

イベントコマンド[マップのスクロール]

プレイヤーキャラクターの位置を変えずにマップをスクロールさせるには、イベントコマンド[マップのスクロール]を設定します。

方向
スクロールさせる方向を設定します。
距離
スクロールさせるタイル数を設定します。
速度
スクロールの速度を設定します。

イベント作成例

お尋ね者を追跡中、プレイヤーキャラクターの視線の先にお尋ね者が!というイベントを作ってみたいと思います。

プレイヤーキャラクターは、プレイヤーの操作によって矢印のルートを移動するとします。そして、赤く囲んだ部分に来るとイベントが発生して、青く囲んだ部分にいる人物を発見します。すると、その人物は下の方に逃げていく……という流れです。

目標の人物を作る

まずは、目標となる人物を青く囲んだ部分に作成します。

1 ページ目には、目標となる人物のグラフィックだけ設定するのですが、出現条件を設定しておかないと、最初からその場にいることになってしまいますので、出現する条件となるスイッチを[出現条件]に設定しておきます。

2 ページ目は、目標となる人物が逃走して姿を消した後の設定になりますので、グラフィックは設定せず、1 ページ目とは異なるスイッチを[出現条件]に設定しておきます。

最後に、[名前]欄に適当な名前をつけておいてください。ここでは、「リック」とつけることにします。

発見イベントを作る

次は、目標となる人物を発見するイベントを、赤く囲んだ位置に作成します。

今回のサンプルでは、赤く囲んだ位置が横 3 マス分ありますので、同じマップイベントが 3 つ必要になります。こういった時は、どれか 1 つだけ作ってしまい、最後にそれをコピーして貼り付けるのが良いでしょう。

まずは、1 ページ目からです。グラフィックはなし、[プライオリティ]は[通常キャラの下]、[トリガー]は[プレイヤーから接触]にしておきます。

まず、プレイヤーキャラクターが左を向いている時にイベントが発生してしまうと、視線の先に目標の人物がいるという展開になりませんので、最初に[条件分岐]を使ってプレイヤーキャラクターが右を向いている時にのみイベントが発生するようにしています。

次に、緑色で示した部分でスイッチを ON にしています。最初のスイッチで目標の人物が出現するようになり、最後のスイッチで目標の人物の姿が消えます。

水色で示した部分では、目標の人物が逃走するよう設定しています。目標の人物のイベントに名前をつけることで、ここで指定するのが楽になります。

最大のポイントは[マップのスクロール]の使い方です。最初のスクロールで目標の人物を画面内にとらえるようスクロールし、最後のスクロールでプレイヤーキャラクター中心の元の状態に戻るようにしているのですが、いずれも[マップのスクロール]を 2 回連続で設定し、しかも 2 回目のスクロール距離はいずれも 0 です。

[マップのスクロール]でのスクロール中は、ウェイトがかかりません。つまり、スクロールが終わる前に次のイベントコマンドが実行されてしまいます。しかし、[マップのスクロール]が 2 つ続けて設定してある場合は、最初のスクロールが終わってから次のスクロールが行われるという仕様になっています。そこで、あえて距離 0 のスクロールを設定することで、1 回目のスクロールが終わるまでウェイトがかかるようにしているというわけなのです。

最後に、このイベントが再び発生しないよう、最後に ON にしたスイッチを出現条件とした 2 ページ目を作成すれば、発見イベントは完成です。


●発見イベントをコピーしておくのを忘れずに

ゲーム画面


●イベント発生前は、目標の人物の姿は見当たらない


●イベント発生


●画面がスクロールすると視線の先に目標の人物が


●スクロールが完全に終わってから次のイベントコマンドが実行される


●逃走開始


●画面がスクロールし、元の状態に戻る


●どうやら逃げられてしまったようだ