計算式を設定する
スキルの効果量(ダメージ量や回復量のこと)を設定するには、基本的に「計算式」を設定しないといけません。そこで、ここでは「計算式」の設定方法を中心に効果量の設定方法について解説していきます。
計算式の設定項目について
スキルによる効果量は、[ダメージ]の設定項目で設定します。
- タイプ
- 効果量の種類を決定します。[HP ダメージ]と[MP ダメージ]は、それぞれ対象にダメージを与えます。[HP 回復]と[MP 回復]は、それぞれ対象を回復します。[HP 吸収]と[MP 吸収]は、それぞれ対象にダメージを与えると共に、使用者を回復します。効果量を設定しない場合は[なし]のままにしておいてください。
- 属性
- スキルの属性を設定します。[なし]以外の場合、対象の属性有効度によって最終的な効果量が変動します。また、[通常攻撃]を選ぶと装備中の武器に設定されている属性がそのまま反映されます。
- 計算式
- 効果量を決定する計算式を入力して設定します。詳しくは、後で解説します。
- 分散度
- 効果量のばらつきの度合いを設定します。設定した数値のパーセント分、最終的な効果量は上下に幅が出ることとなります。
- 会心
- 会心の一撃を発生させるかどうかを設定します。
計算式設定の基本
計算式にカーソルを合わせて決定ボタンを押すと、計算式のダイアログが開きます。ダイアログ内には計算式に使用できる40の項目が表示されており、各項目にカーソルを合わせて決定ボタンを押すと、項目が計算式に設定されます。
計算式に項目が設定されると、ダイアログ内は次に設定できる項目のみが明るく表示され、選択可能状態になります。
計算式には最大11個の項目を設定することができます。
●最初に選択できるのは8項目です。計算の先頭には四則演算子は設定できません。
●「自分の」や「敵の」などの対象を設定すると、「最大HP」や「攻撃力」などの数値の元となる能力値などの項目を設定できます。
また、「数値入力」で直接数字を設定したり、「変数」で項目に存在しない数値を設定することができます。「変数」の項目を選択すると、変数のダイアログが開き、変数を指定することができます。《→変数について》
●変数は[変数番号]で計算式に設定されます。
項目の設定を間違った場合は、[右端を消す]ボタンを選択することで、計算式の一番右側に設定されている項目を1つ削除できます。
また、計算式に設定されている項目にカーソルを合わせて決定ボタンを押すと、項目の設定をやり直すことができます。
計算式を設定する
さて、本題である計算式の設定を行いましょう。
四則演算と計算の基礎について
計算式の基本は、+、-、*、/ からなる、四則演算です。* は掛け算、 / は割り算になります。
計算の順番は、掛け算と割り算が先で、足し算と引き算が後になります。このため、「自分の」「攻撃力」「+」「自分の」「防御力」「×」「2」という式の場合、「自分の攻撃力×2」が先に計算されます。攻撃力と防御力を足した値を2倍したい場合は、「自分の」「攻撃力」「×」「2」「+」「自分の」「防御力」「×」「2」とします。
また、計算式は、整数で計算されるため、割り算を行った場合、余りは切り捨てられます。例えば「3 ÷ 2 × 2」という式の場合、結果は 2 になります。これは、「3 / 2」の商が 1 で、余りの 1 が切り捨てられるからです。「自分の」「攻撃」「÷」「 2」などの場合も、小数点は切り捨てられていることに気を付けてください。
ただし、「自分の攻撃力×0.5」のように、式の中に小数点が出てきた場合は、小数点を含めた計算になります。この場合、実際のダメージは整数に変換されます(小数点以下は切り捨てられます)。
上記の値に、分散度がかけられて、実際のダメージ(または回復)値になります。
設定アドバイス・攻撃魔法編
サンプルデータの「ファイア」の計算式を見てみましょう。
設定された計算式は、基本効果量の 100 に「使用者の魔法力の 2 倍 - 対象の魔法防御の 2 倍」が加算されているわけです。
ですので、これを参考にして、魔法を作成する場合は基本効果量の値だけを変更するようにすると、設定するのが楽な上に、それぞれの魔法の強弱関係も分かりやすくなります。あとは、[分散度]の数値をいじって、効果量にばらつきのある魔法や、ばらつきの少ない魔法などといった違いを出すのも良いでしょう。
設定アドバイス・回復魔法編
サンプルデータの「ヒール」の計算式を見てみましょう。
基本効果量の 200 に「使用者の魔法力」を加算したものになっています。
使用者の魔法力が上がると共に回復量も大きく上がるようにしたければ、「自分の」「魔法力」「×」「2」のように、掛ける数値を大きく設定すると良いでしょう。強力な回復魔法を作成する場合は、参考にしてください。
設定アドバイス・打撃スキル編
サンプルデータの「攻撃」の計算式を見てみましょう。
設定された計算式は、「使用者の攻撃力の 4 倍 - 対象の防御力の 2 倍」ということになります。
このスキルは、通常攻撃の際に使用されるスキルですので、この設定がすべての打撃系スキルの基準となります。
打撃系スキルを作成する場合、一般的には通常攻撃よりも強くすると思いますので、「攻撃力」に掛ける数値を大きくすれば、通常攻撃の時よりもその数値分だけ与えるダメージが大きくなりますし、さらに基本効果量として、値を加算すれば、それだけダメージが大きくなります。
サンプルスキルの「ブレイクダウン」は、敵の HP にダメージを与えるスキルなので[タイプ]は[HPダメージ]を選択し、 装備中の武器の属性が反映されるように[属性]は[通常攻撃]にし、[分散度]は 20 のまま、[会心]は[なし]です。
●使用者の攻撃力の10倍、対象の防御力は無視してダメージを与える
これで、サンプルスキル「ブレイクダウン」は完成です。
計算式設定の応用
計算式を利用した応用例をいくつか示します。
計算式に「敵の」の項目を設定していますが、これは「対象の」という意味で使用しています。
●対象の HP を最大値まで回復する([タイプ]は[HP 回復]、[分散度]は 0 に設定しておく)
●与えるダメージは、使用者の敏捷性が大きく影響する
●対象の残りHPを問答無用で 1 にする
一から設定するのは大変ですが、計算式にこだわりたい人はサンプルデータや、サンプルゲームなどに設定されている計算式を参考にして、オリジナルの計算式を設定してみてください。