会話中に移動する町の人を作る
その場で立ち止まって会話をするだけでなく、会話の途中で移動したりする町の人を作ってみましょう。
イベントコマンド[移動ルートの設定]
マップイベントを動かすには、[自律移動]の項目で設定をすると「町の人を作る」で解説しましたが、これは「イベントの内容が実行されていない時」の移動の設定です。会話中に移動するということは、「イベントの内容が実行されている時」に移動させるわけですから、[自律移動]の項目では設定出来ません。
そこで使うのが、プレイヤーキャラクターやマップイベントを移動させるイベントコマンド[移動ルートの設定]です。
[自律移動]の項目での設定同様、右側にある移動コマンドを左側のコマンドリストに登録して、イベントを移動させることになりますが、いくつか設定出来る項目が増えています。
- ①対象キャラクター
- 移動ルートを指定する対象となるキャラクターです。[このイベント]と[プレイヤー]の他、同じマップにある他のマップイベントも指定することが出来ます。
- ②完了までウェイト
- 指定された移動動作がすべて完了するまで、[実行内容]リストに設定されているイベントコマンドの実行を行わないようにします。
イベント作成例
見本として、下のマップにイベントを作成してみます。赤丸部にいる人物が会話の途中で木箱の前へ移動し、そこから再び元の場所に戻ってきて、会話の続きを行うというイベントです。
作成するイベントの実行内容は、このようになります。
青く囲んだ[文章の表示]の間に、赤く囲んだ[移動ルートの設定]を行っているのが分かると思います。[移動ルートの設定]は、[移動が終わるまでウェイト]にチェックを入れていますので、一連の移動が終わるまで、イベントの実行内容は先に進みません。
また、[文章の表示]と[移動ルートの設定]の間には、イベントコマンド[ウェイト]で一拍ほど間を空けるようにしてみました。喋った直後にすぐ移動するよりも、この方が自然な感じになると思います。
設定のポイント
- 木箱を調べる動作
- 木箱の前まで移動した後、木箱を探す動作を入れています。その設定箇所が、黄色く示した部分です。「足踏みアニメ」を ON にしてからウェイトを設定すると、その場で足踏みし続けることになりますので、いかにもゼンマイを探しているかのように見えます。その後、「足踏みアニメ」を OFF にしてから、元の位置に戻るようにしています。
- プレイヤーがどの方向から話しかけても良いようにする・1
- プレイヤーが、このイベントの右側から話しかけると、木箱への移動の邪魔になってしまってしまいます。そこで、その場合の対策として、移動ルートの設定の最初で「すり抜け」を ON にしてあります。これで、プレイヤーキャラクターと重なってしまっても、すり抜けて木箱の前へ移動出来るようになります。また、設定の最後で「すり抜け」を OFF にして、元の状態に戻しています。
- プレイヤーがどの方向から話しかけても良いようにする・2
- 席に戻った後、緑色で示したように[プレイヤーの方を向く]を設定しています。これで、プレイヤーがどの方向から話しかけた場合でも、そのプレイヤーの方を向いてから会話の続きが行われるようになります。なお、このままだとプレイヤーに話しかけられた方向を向いたままになってしまいますので、[実行内容]の最後に、[移動ルートの設定]で[左を向く]を設定しておきましょう。こうすることで、どの方向から話しかけられても、会話が終われば元通り机の方を向くようになります。
●会話イベント開始
●「すり抜け」ONを設定しているので、問題なく木箱の前へ移動出来る
●席に戻った後、ちゃんとプレイヤーの方を向いて会話の続きが始まる
設定のポイント・応用編
さて、ここで「プレイヤーがどの向きから話しかけてもよいようにする」処理の際、プレイヤーをすり抜けるのが不自然に感じた人もいることでしょう。それを解決するためには、プレイヤーの向きを調べて、それに応じて移動ルートを変える方法があります。これは、後で紹介するイベントコマンド[条件分岐]を使えば可能になります。
ここでは設定のヒントだけ書いておきますので、この講座を読み進めた後、以下に留意して改造をこころみてください。
- 隊列歩行の場合、イベントコマンド[隊列メンバーの集合]を行う
- プレイヤーの向きをイベントコマンド[条件分岐]で判定して上下左右それぞれの場合の移動ルートを設定する
(条件分岐について《→所持品などで反応が変わる町の人を作る》)