マップに出現する敵を設定する
MV では、マップを歩いているとランダムで敵とのバトルになる「ランダムエンカウント方式」を採用しています。そこで、敵キャラを作成し、敵グループの設定も終えたら、ダンジョンなどのマップに敵が出現するよう設定しましょう。
マップ全体に出現する敵を設定する
敵の出現設定は[マップの設定]で行いますので、[マップの設定]ダイアログボックスを開いてください。
- マップツリービューで敵を出現させたいマップ名を右クリックします。
- ポップアップメニューが表示されますので、そこから[編集]を選択すると[マップの設定]ダイアログボックスが表示されます。
エンカウント(出現)する敵グループの設定は、[マップの設定]ダイアログボックスの右半分にある[エンカウント]のリストで行います。
エンカウントする敵グループの設定
[エンカウント]のリストの空欄をダブルクリックすると、[エンカウント]ダイアログボックスが表示されます。
- 敵グループ
- 出現させる敵グループを設定します。
- 重み
- この敵グループが出現する頻度に関する数値です。詳しくは、後で解説します。
- 出現範囲
- この敵グループが出現する範囲を設定します。ここでは、[マップ全域]を選択しておいてください。
設定を終えて[OK]ボタンをクリックすると、設定した敵グループが[エンカウント]リストに表示されます。これで、このマップを歩いた際に、この敵グループが出現してバトルが行われるようになります。[エンカウント]リストには、出現する敵グループを複数設定出来ますので、出現させたい敵グループを一通り設定しておきましょう。
重みについて
[エンカウント]リストに複数の敵グループが設定されている場合、[重み]の数値を参考にして、エンカウントした際に出現する敵グループが決定されます。具体的には、「その敵グループの重み / リストに設定された全敵グループの重みの合計」で出現確率が決定されます。
では、具体例で見てみましょう。
それぞれの敵グループの出現確率は、以下の通りです。
敵グループ | 重み | 出現確率計算式 | 出現確率 |
こうもり × 2 | 10 | 10 / (10 + 8 + 7) | 40% |
スライム × 2 | 8 | 8 / (10 + 8 + 7) | 32% |
スライム × 3 | 7 | 7 / (10 + 8 + 7) | 28% |
マップの一部で出現する敵を設定する
フィールドマップなどでは、特定の地域ごとに出現する敵を変えるなど、マップの一部だけに出現する敵を設定したい時もあると思いますので、その設定方法について解説します。
リージョンを設定する
まずは、敵を出現させたい地域を設定します。この地域のことを MV では「リージョン」と呼びます。リージョンの設定は「リージョン編集モード」で行いますので、タイルパレットの下のタブの中にある[ R ]タブをクリックして「リージョン編集モード」に切り替えましょう。
すると、タイルパレットにリージョン設定タイルが表示されます。
あとは、マップの作成と同じ要領で、タイルパレットからリージョン設定タイルを選び、マップ上のリージョンに設定したい位置に配置していきましょう。同じリージョン設定タイルを置いた位置は、すべて同じリージョンとして設定されます。
●リージョン設定タイルの置かれた位置が、リージョンとして設定される
●このように飛び地のリージョンを設定することも出来る
リージョンを複数設定したい場合は、違うリージョン設定タイルを使用してください。一つのマップで、255 個までリージョンを設定出来ます。
リージョン設定タイルは、マップタイル同様に描画ツールが有効ですので、配置したリージョン設定タイルを右クリックでスポイトしたり、描画ツールの四角形や塗りつぶしなどを使用したりすると、リージョンを広い範囲に設定したい時には作業効率が高まります。
エンカウントする敵グループの設定
エンカウントする敵グループの設定は、マップ全体に出現させる場合と同じです。ただし、[出現範囲]の設定で[マップ全域]ではなく、[リージョン ID で指定]を選択し、出現させたいリージョンの数字(リージョン設定タイルの数字)を下の入力欄に設定してください。
●この場合、リージョン 1、2 で出現するようになる(0 が設定されている欄は無効)
リージョン設定のコツ
下の設定を見てみてください。
このように設定した場合、リージョン 1 が設定されている位置では「こうもり × 2」が出現しますが、出現範囲が「マップ全域」になっている「スライム × 2」も出現します。ですので、フィールドマップなどで地域ごとに出現する敵を完全に変えたい場合は、どの敵グループも必ず[リージョン ID で指定]で出現範囲を設定するようにしてください。
また、海で出現する敵グループを海専用の敵グループにしたい場合は、海にもリージョンを設定するようにしましょう。そうすることで、陸地で出現する敵グループと海で出現する敵グループとを分けることが出来ます。
エンカウント率を設定する
出現する敵グループを設定したら、敵が出現する確率である「エンカウント率」を設定しましょう。エンカウント率は、[敵出現歩数]で設定します。
数値を小さくすればエンカウント率は高くなりますし、数値を大きくすればエンカウント率は低くなります。設定し終えたら、必ずテストプレイをしてエンカウント率がイメージ通りに設定出来たかどうかチェックしましょう。《→テストプレイをする》
なお、設定したエンカウント率はマップ全体に適用されますので、特定のリージョンのエンカウント率を変更したりすることは出来ません。
エンカウント率の仕組み
エンカウント率は[敵出現歩数]とありますが、実際には決まった歩数で出てくるわけではなく、その数値を基準にしたランダムな歩数で出現します。
具体的には、次の敵が出てくるまでの歩数を、以下の計算式で決定しています。
[次のエンカウントの歩数]= (0~(敵出現歩数-1)のランダムな値) + (0~(敵出現歩数-1)のランダムな値) + 1
ここで、「0~a のランダムな値」とは、「0 から a までの数字が書かれたサイコロを振って、出た目の数」と考えてもらえば分かりやすいと思います。
つまり、[敵出現歩数]が 30 なら、0~29 までが書かれたサイコロを 2 回振って、その数の合計に 1 を足したものが実際のエンカウントの歩数となるわけです。
よって仮に、運が悪く両方ともサイコロの目が 0 なら、 1 歩で敵が出てくることも稀にあることになってしまいますが、大抵の場合 [敵出現歩数]に近い値になることが多いでしょう。
エンカウント率設定のコツ
エンカウント率が高すぎると、なかなか先に進めないためプレイヤーはイライラしてしまいます。一方で、エンカウント率が低すぎると、なかなか敵が出現しないわけですから、プレイヤーは簡単に目的地へ到達出来てしまいますし、レベルもなかなか上がりません。ですので、適正なエンカウント率を設定することが大事になります。
どういったゲームに仕上げたいのかによって適正なエンカウント率は変わってきますので、設定の方向性をアドバイスしておきます。あとは、これを参考に歩数を設定した上で、テストプレイを通じて調整していってください。
- ゲーム内容にもよるが[敵出現歩数]には 30 未満の数値は入れないほうが良い。30 未満だと「エンカウントが多すぎる」と感じるプレイヤーが多くなる。
- 狭いマップでも「エンカウントせずに次のマップへいけてしまう可能性があるから」といって、無闇にエンカウント率を上げてはいけない。1 マップに最低 1 回はエンカウントしなければならない、というルールはない。
- 謎解きのあるマップは、プレイヤーキャラクターがマップ内をウロウロするために歩く距離が長くなるので、エンカウント率を低くしておいた方が良い。場合によっては、謎解きに専念してもらうためにエンカウントしないようにしても構わない。
戦闘背景を設定する
戦闘の背景画像は、特に何も設定しない場合、フィールドなら、地形に合わせて自動的に選ばれ、それ以外なら、マップ画面がそのまま戦闘背景になります。
●フィールドタイプのタイルセットのマップの場合、自動で地形に合った戦闘背景が選択される
●エリアタイプのタイルセットのマップの場合、マップ画面がそのまま戦闘背景になる
マップに特定の戦闘背景を設定したい場合、[マップの設定]を開いてください。[戦闘背景指定]のチェックボックスにチェックを入れます。
そして空欄をクリックすると[画像の選択]ウィンドウが出ます。戦闘背景は上下 2 枚に分かれているので、左で下半分を、右で上半分を指定して、組み合わせます。
これでそのマップの戦闘背景が設定されました。
●[マップの設定]の戦闘背景が表示される
また、イベントコマンド[戦闘背景の変更]を行って一時的に変更することも可能です。このイベントコマンドで行った設定は、マップが切り替わるまで有効です。