講座のおまけとして、マップを描くのが苦手な人たちのために、うまく描くためのコツを紹介します。
マップを描くのが苦手……というのは、言い換えればそのマップに必要なものを把握できていないということです。マップ内で必要となるものを整理しておけば、自ずと描くべきマップのイメージも固まってくるはずです。マップを描き始める前に、イメージした全体像を紙に書いておくのもよいでしょう。
フィールドマップを描くときは、主人公がどんなルートを冒険するのか? どんな乗り物を使うのか? をイメージすることが大切です。溶岩の洞窟を冒険するなら、その洞窟が置かれる溶岩地帯のような土地が必要になりますし、船を使って冒険するなら海の部分を多めに作る必要があります。飛行船を活躍させたいのなら、土地同士を隔てる山脈が必要になってくるでしょう。そうやって、あらかじめ必要な土地や地形をまとめておけば、世界の全体像が見えてくるはずです。
町をうまく作れない人は、まず必要最低限の施設をリストアップし、町の特徴を考えてからツクールで描き始めるようにしましょう。お店や宿屋はもちろんですが、その町が果たす役割を意識することも大切です。港町を作るのであれば、船の到着する船着場を用意するだけでなく、港のそばに船の積荷を置いておく倉庫や、船で交易をする商人の家があってもよいでしょう。
ダンジョンを描く場合も、その機能や成り立ちからイメージを固めることができます。ほら穴や鍾乳洞のように自然にできたダンジョンであれば、その構造は複雑で入り組んだ地形になるでしょうし、鉱山や盗賊の隠れ家のように人工的に作られたダンジョンであれば直線的・規則的な構造になるでしょう。また、ボスのいる部屋や地形的なトラップなど、ゲームの攻略にあわせた構造を用意する必要もあります。
説明だけではわかりにくいかもしれませんので、サンプルマップを用意してみました。
3つの大陸と浅瀬、深海で囲まれた内海と外海で構成されています。内海のどこかで小型船を入手し、それに乗って行ける場所で大型船を入手、外海のどこかで飛行船を入手し、右下の山に囲まれた島に向かう……というイメージです。参考までに乗り物等の初期配置位置を設定してあります。
内海を中心にぐるっと一周できるようになっています。ただ歩くだけでは一周できないようにしてありますので、山を通り抜ける洞窟や、内海の対岸へ行く定期船などを用意する必要があります。また、川や山脈によっていくつかのエリアに分けられるようにしていますので、橋に関所を設けたりして、エリア内でのイベントをひと通りこなしたら次のエリアへ進めるというようにする事も可能です。
左上が宿屋、右下がショップ、右上が教会をイメージしています。
町の中に船を表示しないという前提で作ってあります。町の中から船に乗せたい場合は桟橋をマップ外まで延ばし、マップの端に行った所で暗転処理等を行って船に乗せてしまってもよいでしょう。左上の白い壁の建物は灯台をイメージしていますが、倉庫等に使ってもよいと思います。
マップ上部から城に行くイメージです。左下の建物は宿屋&酒場をイメージしています。
左上の建物は町長の家、もしくは集会所をイメージしています。右下の建物は倉庫をイメージしています。雪国ですので、地下倉庫への階段を用意してもおもしろいと思います。
マップ上部の崖に洞窟への入口を追加し、そこに部屋やダンジョンを用意してもよいと思います。
謁見の間のある2階へは中央の階段から上がるイメージです。お城を守る兵士や、侍女たちの部屋、台所などがあってもよいでしょう。
謁見の間の左側にある2つの部屋は、王様の部屋と王子or王女の部屋をイメージしています。謁見の間の下にある部屋は食堂、その右が厨房、厨房の上にある2つの部屋は客間or来賓控え室をイメージしています。
ゲーム序盤で訪れる岩壁のダンジョンのイメージです。滝の流れている部屋がボス部屋です。
普通の洞窟の奥に、洞窟を利用した隠れ家があるというイメージで、敷物のある部屋が首領の部屋、その奥が宝物庫をイメージしています。隠れ家の入口を扉などで塞ぎ、合い言葉を言ったり、スイッチを押したりする事で、隠れ家の中に入れるようにしてもよいでしょう。
ところどころに立っている水晶の柱、地面に開いた亀裂で歩きにくさを表現しています。左上の部屋がボス部屋です。
「古代文明時代の基地」で、中央部分は本来は一面に金網が敷かれていたものの、長い時間で金網の一部が落ちてしまい、迷路のようになってしまったというイメージです。一部に透明色を含むタイルが使われていますので、遠景を設定してみるとおもしろいでしょう。
ここのみ、入口が鉄梯子になっています。水路にかかる橋や中央の段差にある梯子など、仕掛けに使えるネタを用意しています。
中央奥がボス部屋です。ある程度、遺跡の外周も歩けるようにしてありますので、ところどころ壁を壊し、内部には亀裂やガレキで通行止めの箇所を用意することで、外周部分も攻略ルートに含めた廃墟としても使えるようにしています。
今回は、上で紹介したマップのデータを収録したプロジェクトを用意しました。
なお、これらのマップはゲーム作成用のテンプレート素材として自由にご利用になれます。作成中のプロジェクトに使いたい場合には、次の方法でコピーすることができます。
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それぞれのマップは最低限のタイルで構成されており、町やダンジョンなどのシンボル、屋内の装飾や家具は配置されていません。マップごとの説明文を参考にマップを完成させてみてください。