初心者向けRPGツクールVX講座、第19回目です。
第18回では、データベースに新モンスター「ブルースケルトン」を登録しました。
今回は、その「ブルースケルトン」を実際にゲームに登場させるための手順を紹介します。
モンスターをゲームに登場させるためには、作成しておいたモンスターをあらかじめ[敵グループ]に登録しておく必要があります。
[敵グループ]といわれても、あまりピンとこないかもしれません。RPGツクールでは、モンスターは群れ(パーティー)を組んで現れます。複数のモンスターの組み合わせをひとつの単位として扱い、その単位を元にゲームに登場させるわけです。つまり、これらの単位が[敵グループ]と呼ばれるものなのです。呼び方はグループとなっていますが、モンスターを1体だけ出現させたい場合でも登録しておく必要があります。その場合はモンスター1体で構成される[敵グループ]として登録します。
このアイコンをクリックしてデータベース画面を呼び出します。
データベースから[敵グループ]のタブを選びます。
新しいモンスターグループを作成するにあたって、画面左側のリストに新しいモンスター用の枠を増やします。製品版には30組のサンプル敵グループ(体験版では3組)が用意されています。
左下にある[最大数]の変更をクリックします。
1体のモンスターを追加するので、最大数を1増やして[OK]をクリックします。
これでモンスター1体分の設定枠が追加されました。
※[最大数の変更]は製品版でのみ使える機能です。体験版をご利用の方は、空欄となっている「004:」以降の枠を使用してください。
画面の右にあるリストには[敵キャラ]に登録されているモンスターが表示されています。敵グループに追加したいモンスターを選び、リストの左側にある[< 追加]のボタンを押すと、空欄の部分にモンスターが追加されます。「031:ブルースケルトン」を選んで追加してみましょう。[< 追加]のボタンを押すたびに1体ずつ追加されていきます。
この空欄は、戦闘画面のプレビューの役割を果たしています。[< 追加]ボタンで追加されたモンスターは、マウスのドラッグ&ドロップで自由に配置を変えることができます。[整列]ボタンを押すと、モンスターを等間隔で自動配置してくれます。
説明が前後してしまいましたが、[名前]の欄には、敵グループの名前を入力します。ただし、この名前はプレイ中には表示されません。右にある[名前の自動作成]ボタンを押すことで、グループ内のモンスター構成に応じた名前が自動的に付けられます。特にこだわりがない限りは[名前の自動作成]を利用するのがよいでしょう。
画面の下半分を占めているのは[バトルイベント]の項目です。[バトルイベント]というのは、戦闘中にメッセージを表示させたり、画面をフラッシュさせたりするなど、戦闘時に発生させるイベントのことを指します。ボス戦闘などの特別な戦闘を演出したいときに利用します。ここで設定している「ブルースケルトン」の[敵グループ]は、通常のザコ敵として登場させる予定なので特別な演出を必要としません。この[バトルイベント]の項目については、次回説明したいと思います。
データベースで敵(モンスター)を作成し、敵グループを設定すれば準備は完了です。実際にゲームにモンスターを登場させてみましょう。
ゲーム中、モンスターを登場させる方法はふたつあります。
ひとつはイベントコマンド[バトルの処理]を利用する方法、そしてもうひとつは[マップの設定]にある[エンカウント]を利用する方法です。イベントコマンド[バトルの処理]を利用した場合、戦闘をイベントとして実行できるので、意図したタイミングで特定の敵(敵グループ)との戦闘を発生させることができます。そのため、こちらの方法はストーリーに関わる戦闘(おもにボス戦闘)を作るときに用いられます。[エンカウント]というのは、直訳すると「遭遇」という意味になります。正式にはランダムエンカウントモンスターと呼ばれ、ランダムに“遭遇”する敵グループのことを総称しています。[エンカウント]の戦闘は指定された確率を元に発生するため、どのタイミングで起こるのか作者でもわかりません。そのため、おもにフィールドやダンジョンを歩いているときに突然発生する、雑魚モンスターとの戦闘を設定するときに用いられます。
今回は、ふたつのうちの[エンカウント]を利用する方法について紹介します。イベントコマンド[バトルの処理]を利用した方法については次回説明します。
上のポイントでも触れていますが[エンカウント]による敵グループの配置はマップ単位で設定します。操作としては敵グループを配置したいマップの[マップの設定]ダイアログを開き、[エンカウント]の項目にひとつずつ敵グループを登録していくことになります。ここに登録された敵グループがランダムで選ばれて出現することになります。
まず、敵グループを配置するマップを決めておきます。
ここでは「フィールド」のエンカウント設定を例に挙げて説明します。
マップツリーから「フィールド」を選んで右クリック、ポップアップメニューの一番上にある[マップの設定]を呼び出します。
[エンカウント]で設定するのは2項目です。[敵グループ]は出現候補となる敵グループ、[平均エンカウント歩数]というのは、モンスターの出現率(戦闘の発生確率)のことです。
空欄をダブルクリックすると[エンカウント]ダイアログが表示されます。「▼」をクリックするとプルダウンメニューで敵グループのリストが表示されます。ここに表示されるのはデータベース[敵グループ]で登録されているものです。さきほど用意した「ブルースケルトン*2」のグループを選びます。
初期値では[平均エンカウント歩数]が30に設定されています。これは30歩に1回の頻度で戦闘が発生するという意味です。したがって、この数値を小さくすることで戦闘が発生しやすく、大きくすることで戦闘が発生しにくくすることができます。ただし、戦闘の発生頻度が高すぎるRPG、あるいは低すぎるRPGは一般に敬遠されやすくなります。特別なこだわりがなければ数値を変更する必要はありません。
これで「フィールド」のマップに30歩に1回の確率で「ブルースケルトン」2体で構成される敵グループが出現するようになりました。出現する敵グループのバリエーションを増やしたい場合は、同じ操作で[敵グループ]の項目に追加していけばOKです。
残りのマップ(「魔物の洞窟・地下1階」「魔物の洞窟・地下2階」「魔王城・1階」「魔王城・2階」)についても同様に[マップ設定]から[エンカウント]の設定をしてみましょう。もちろんテストプレイもお忘れなく。
敵グループの設定されたマップをうろうろ歩き、戦闘が発生すれば成功です。
第19回はここまでです。次回は、最終ボスの魔王を作ります。