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今日からはじめるRPGツクールVX講座

第18回 「モンスターを作ろう」

初心者向けRPGツクールVX講座、第18回目です。
第17回では、変数を利用して、プレイヤーに秘密の暗号を入力させるイベントを紹介しました。
今回は、モンスターの作り方について説明したいと思います。

これまでモンスターを配置しなかったのは、第10回でも説明したように、テストプレイをスムーズに行なうためでした。残るイベントは魔王との対決のみとなりましたので、ここでモンスター配置を行なっていきたいと思います。まずは、配置するモンスターを作るところからとりかかります。

STEP42.モンスターの設定(パラメータ編)

モンスターを配置するためには、あらかじめデータベースにモンスターを登録しておく必要があります。

このアイコンをクリックしてデータベース画面を呼び出します。


●データベース[敵キャラ]の画面

データベースから[敵キャラ]のタブを選びます。似たような名前の[敵グループ]というタブがありますが、こちらはモンスターを作成したあとに設定する項目です。

モンスターを作るための準備

新しいモンスターを作成するにあたって、画面左側のリストに新しいモンスター用の枠を増やします。製品版には30体のサンプルモンスター(体験版では3体)が用意されています。

左下にある[最大数]の変更をクリックします。


●最大数の変更ダイアログ

1体のモンスターを追加するので、最大数を1増やして[OK]をクリックします。


●リストにモンスター1体分の枠が追加

これでモンスター1体分の設定枠が追加されました。

※[最大数の変更]は製品版でのみ使える機能です。体験版をご利用の方は、空欄となっている「004:」以降の枠を使用してください。

モンスターの名前、グラフィックを設定


●モンスターの名前を設定

[名前]の欄には、戦闘画面で表示されるモンスターの名前を入力します。文字数が多いと縮小表示されて見栄えが悪くなるので、全角10文字を目安に考えましょう。


●[戦闘グラフィック]ダイアログ

[グラフィック]の空欄(枠)をダブルクリックすると、戦闘画面で表示されるモンスターのグラフィックを選択することができます。画面左側のリストから、イメージにあったグラフィックを選びましょう。ここでは「Skelton」の絵を選びました。RPGでは、定番のガイコツ戦士です。下にある[色相]というスライダーバーを操作すると、色合いを変えることもできます。

サンプルデータを参考にパラメータを設定

パラメータは、そのモンスターの性格を表していると言い換えても過言ではありません。たとえば、最大HPや攻撃力を高くすれば、怪力自慢のモンスターが表現できます。すばしっこいネズミのイメージであれば、敏捷性や回避率を高く設定すればいいわけです。ほかにも、特定の属性攻撃に弱い(炎に弱い)など、モンスターの弱点を表現することも可能です。


●パラメータ(能力値)の設定

モンスターに設定できるパラメータ(能力値)は、基本的に主人公と同じです。ただし、戦闘バランス(※ポイント参照)との関係から、これらの数値を決めるためには、ちょっとした慣れが必要となります。


●スライムのパラメータ

今回は登録されているサンプルデータを参考に、数値を入力していきます。これらのサンプルデータは主人公のサンプルデータ(パラメータ)を基準に調整されていますので、そのまま使うこともできます。「001:スライム」のパラメータを順番に見ていきましょう。[最大HP]が100、[最大MP]が0となっています。MPがゼロなので“魔法や特殊攻撃を使わない”タイプのモンスターです。[攻撃力]12、[防御力]4、[精神力]8、[敏捷性]10は、レベル1の主人公にあわせた能力値と考えてよいでしょう。[命中率」「回避率]とは、モンスター側の攻撃の命中率、回避率の基本値となります。[命中率]95であれば、基本的に95%の確率で攻撃を命中させてくるという意味です。[回避率]5なら、主人公からの攻撃を5%の確率で避けるという意味になります。[経験値][お金]は、それぞれモンスターを倒すことで得られる経験値とゴールドのことです。


●スライムの属性有効度・ステート有効度

これは、第5回で主人公を作成したときと同じ説明になります。[属性有効度]というのは、属性(炎属性など)に対してどれだけ影響を受けるかの度合いです。この有効度によって、属性が付加された攻撃からのダメージ値が増減します。[ステート有効度]も同様で、こちらは状態変化(毒や麻痺)に対する影響力を示しています。これらを調整することで、炎の攻撃に弱い、毒に強い(毒状態にならない)といった特徴をモンスターにつけることができます。

有効度は「A~E」の5段階に分かれており「C」が標準の100%の効果、「A」が200%の効果、「E」が0%(無効)の効果となります。つまり「A」に近いほど弱点となり「E」に近いほど耐性がある(属性が効かない)ことになります。スライムの属性有効度を見ると「冷気」のみ「A」です。これは、冷気属性の攻撃に対して200%(二倍)のダメージを受けることになりますので、スライムは「冷気」に弱いと表現できるわけです。

※ここで例に挙げた「001:スライム」のデータは製品版にのみ収録されています。体験版をご利用の方は、講座の画像を参考にしてください。

戦闘バランスと能力値の関係

モンスターのパラメータとして入力する数値は、主人公側のパラメータと密接な関係にあります。たとえば、主人公の攻撃力に対してモンスターの防御力が大きすぎると、そのモンスターにまったくダメージを与えられなくなってしまうのです。主人公が弱すぎたり、モンスターが強すぎたりするRPGは、多くの場合、遊びにくい作品として評価されてしまいがちです。理想は主人公の強さとモンスターの強さのバランスがほどよくとれていることです。それぞれのパラメータを調整していく作業を“戦闘バランスをとる”と表現します。調整する幅はゲーム内容によって異なってきますので、これといった基準はありません。一般的には、繰り返しテストプレイをして微調整していく方法がとられます。


●「ブルースケルトン」の設定

スライムのパラメータを見て、数値の基準がわかったと思います。そのまま真似をしてもよいのですが、せっかくなのでアレンジしながら「ブルースケルトン」のパラメータを設定しましょう。[最大HP]を120、[最大MP]を0としました。[攻撃力]15、[防御力]7、[精神力]5、[敏捷性]12としておきます。[命中率]と[回避率]は、初期値のままです。これでスライムより少し強い程度のモンスターになりました。あわせて、もらえる経験値とお金も少し多めに設定しました。


●[属性有効度]の設定

[属性有効度]は、スライムが「冷気」に弱かったのに対し、「ブルースケルトン」は「炎」に弱いことにします。「炎」にカーソルを合わせて、左クリックしましょう。「炎」の有効度が「B」になりました。もう一回左クリックすると「A」になります。

ドロップアイテムを設定する


●ドロップアイテムの設定

ドロップアイテムというのは、戦闘終了後に、そのモンスターが落とす可能性のあるアイテムのことです。アイテムのほかにも武器や防具を指定することができます。ドロップアイテムは2種類まで設定できます。


●[ドロップアイテム]ダイアログ

[ドロップアイテム:1]の「…」をクリックすると、[ドロップアイテム]ダイアログが表示されます。モンスターが落とすアイテム(もしくは武器、防具)とその出現率が設定できます。出現率というのは、モンスター1体がアイテムを落とす確率です。1/1(必ず落とす)から1/200(200分の1の確率で落とす)の確率まで入力できます。ここでは「ブルースケルトン」の落とすアイテムとして「ポーション」を、落とす確率を1/10に設定しました。

オプションを設定する


●オプションの設定

オプションで設定できるのは[空中に配置]と[クリティカルあり]の2項目です。[空中に配置]は、戦闘画面におけるモンスターの配置に関わるものです。[クリティカルあり]にチェックをつけると、ランダムで大ダメージ(クリティカルヒット)攻撃を繰り出すようになります。手ごわさを演出するために[クリティカルあり]をつけてみましょう。

STEP43.モンスターの設定(行動パターン編)


●[行動パターン]

次にモンスターの行動パターンを設定します。各モンスターには、複数の戦闘行動を登録しておくことができ、登録された行動から条件や確率に応じて選ばれて実行されます。標準の設定では「攻撃」の行動が登録されています。これに新しい行動パターンを追加してみましょう。「攻撃常時5」の下にカーソルを合わせてダブルクリックしてください。


●[戦闘行動]ダイアログ

行動パターンは[行動条件][行動内容][優先度]の3つの要素から構成されています。[行動条件]というのは、文字通りその行動をとるための条件です。通常は「常時」となっていますが、条件が指定されている場合、条件を満たさない限りその行動は選択されません。条件にはモンスターの残りHPや主人公たちのレベルなど、さまざまな要素を指定できます。[行動内容]は、攻撃や防御、スキル使用といった、モンスターが戦闘中に行なう行動を指しています。優先度というのは、[行動条件]を満たしている行動パターンが複数存在するときの選択の優先度を示しています。優先度の高い行動パターンほど選ばれやすくなります。


●[戦闘行動]ダイアログ(設定後)

ここでは、モンスターのHPが最大値の50%以下になったときに「防御」行動をとるように設定してみます。[行動条件]の[HP]にチェックを入れて「0」%~「50」%と入力します。[行動内容]は[基本]にチェックがついたまま「▼」を押し「防御」を選びます。[優先度]は標準が「5」に設定されていますが、スライダーをひとつ右に動かして「6」にしました。これで、条件を満たした際、優先度「5」の「攻撃」よりも少し選ばれやすくなります。


●オリジナルモンスター「ブルースケルトン」完成

名前とパラメータ、行動パターンを設定すれば、モンスターは完成です。

第18回はここまでです。次回は、作ったモンスターをゲームに登場させるための設定を紹介します。

今回のプロジェクトデータ:vx_kouza18.exe (423KB)
※RPGツクールVX体験版では[プロジェクトを開く]の機能を使うことができません。こちらのサンプルデータを読み込むためにはRPGツクールVX製品版が必要となります。あらかじめご了承ください。

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