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今日からはじめるRPGツクールVX講座

第9回 「船を手に入れる」

初心者向けRPGツクールVX講座、第9回目です。
第8回では、3人目の仲間「ツクル」がメンバーに加わるイベントを作りました。
ページやスイッチを使ってイベントを管理するなど、ややこしい要素が増えてきました。一見すると複雑なことをしているようですが、ひとつひとつ見てみるとこれまでにやってきたことを組み合わせているだけなのです。わかりにくいときには、以前の講座を読み返しながら操作してみましょう。
今回の船を手に入れるイベントでも、扱うイベントコマンドが1種類増えているだけで、あとの設定内容はこれまでにやってきたことの応用なのです。

STEP22.イベントの流れを考える

「みなと町」で船を手に入れるイベントを作るにあたり、ちょっとした工夫をしてみます。実は、これまでに作った仲間が増えるイベントまでは、お城で王様に話しかけて冒険の目的を教えてもらわなくても進めることができてしまいます。このままでは最初に王様と話さないままゲームを進めてしまうプレイヤーも出てくる可能性があります。そこで、王様と話した後でないと船がもらえないようにしたいと思います。

プレイヤーが進む順に並べて整理すると、次のようなイメージになります。

ゲームスタート

はじまりのお城で王様と話す

みなと町で船を手に入れる

それでは、具体的にどのようにして“王様と話したあと”という判定を行なえばよいのでしょうか? こういった場面で活躍するのがスイッチです。


●“王様と話すイベント”の実行内容

第4回で、王様と話したという処理をスイッチ(「0001:王様と話した」)を使うことで記録しました。このスイッチがONの状態になっていれば、プレイヤーが王様と話していることになります。つまり、船を手に入れるイベントの出現条件を「スイッチ「0001:王様と話した」がONのとき」とすればよいわけです。

STEP23.船を手に入れるイベントを組む

新規イベントの作成

ここでは王様と話したあとで「みなと町」にいる人物に話しかけると船がもらえる、というイベント内容として組んでいくことにします。

[モード]を[イベント]にします。


●イベントの新規作成

イベントを置きたいところ(ここでは座標012,004とします)にカーソルを合わせて右クリック。ポップアップメニューを出して一番上にある[イベントの作成]を選びます。

イベントの1ページ目を作る


●イベントグラフィックを選択

イベントのグラフィックは、船をくれる人ということで[People3]にある船長の絵を選びました。[自律移動][オプション][プライオリティ][トリガー]は初期設定のままにしておきます。

※ここではイベントグラフィックとして、[People3]にある船長の絵を選びましたが、RPGツクールVXの体験版にはこの画像は入っていません。体験版をご利用の方はご注意ください。

1ページの実行内容はスイッチ「0001:王様と話した」がOFFのとき、つまり王様と話していないときを用意します。


●王様と話していないときのセリフを入力

1ページ目は王様と話す前の(船がもらえない)内容となるので、それらしいセリフを言わせてみましょう。[実行内容]の「◆」をダブルクリックして[文章の表示]を呼び出します。


●イベント1ページ目完成

イベントの2ページ目を作る

2ページの実行内容はスイッチ「0001:王様と話した」がONのとき、つまり王様と話したあとものを用意します。このページで船をもらえるイベントを組みます。


●[イベントページ作成]

[イベントページ作成]をクリックして、新しいイベントページを作成します。


●イベントの出現条件を設定

2ページ目のイベントが実行される条件を設定します。[スイッチ]にチェックを入れて右側にある「…」をクリック。スイッチには「0001:王様と話した」を選んでください。


●イベントグラフィックを選択

イベントのグラフィックは、1ページ目と同じ絵を選びます。[自律移動][オプション][プライオリティ][トリガー]も同じく初期設定のままにします。


●船をもらうときのセリフを入力

まずは船をもらうときのセリフを設定しましょう。[実行内容]の「◆」をダブルクリックして[文章の表示]を呼び出します。


●イベントコマンド一覧2ページ目

次にイベントコマンド[乗り物の位置設定]を設定します。これは指定したマップの指定した座標に乗り物を出現させるためのコマンドです。イベントコマンド一覧の2ページ目から選んでください。


●イベントコマンド[乗り物の位置設定]

[乗り物]では乗り物の種類を指定します。ここでは大型船を選びました。[位置]については[直接指定]にチェックがついた状態で「…」をクリックします。


●乗り物の出現座標を指定するダイアログ

実際に乗り物が出現するマップと座標を指定します。指定方法は[場所移動]のときと同じです。左側のマップツリーからマップを選び、右側のプレビューで任意の座標をクリックして決定します。船はフィールドマップで利用するものですので、便宜上「フィールド」の(011,013)の座標、すなわち「みなと町」のシンボルの下に出現させることにします。


●[スイッチの操作]ダイアログ

実行内容の最後に、同じイベントが繰り返されないように新しくスイッチを設定しておきます。「◆乗り物の位置設定:大型船」の下にある「◆」をダブルクリックしてイベントコマンド一覧の1ページ目にある[スイッチの操作]を選びます。


●[スイッチ]ダイアログ

スイッチを使って船を手に入れたという処理を記録しておき、同じイベントが繰り返し実行されないようにする仕組みです。[スイッチ]の項目は[単独]にチェックがついた状態で右側にある「…」をクリックします。


●変更後の[スイッチの操作]ダイアログ

ここでは新たに0003番のスイッチを使用します。スイッチの名前はわかりやすいように「船をゲット」にしました。[操作]は[ON]の状態のままで[OK]をクリックします。


●イベント2ページ目完成

イベントの3ページ目を作る

3ページ目の役割は、2ページの内容、つまり船を手に入れるイベントが繰り返されないようにすることです。具体的には、出現条件を「0003:船をゲット」がONのときにして“船を手に入れたあと”の実行内容を設定すればよいことになります。


●[イベントページ作成]

[イベントページ作成]をクリックして、新しいイベントページを作成します。


●イベントの出現条件を設定

3ページ目のイベントが実行される条件を設定します。[スイッチ]にチェックを入れて右側にある「…」をクリック。スイッチには「0003:船をゲット」を選んでください。


●イベントグラフィックを選択

イベントのグラフィックは、1、2ページ目と同じ絵を選びます。[自律移動][オプション][プライオリティ][トリガー]についても同じく初期設定のままにします。


●船を手に入れたあとのセリフを入力

3ページ目は船を手に入れたあとの内容となるので、それらしいセリフを言わせます。[実行内容]の「◆」をダブルクリックして[文章の表示]を呼び出します。


●イベント3ページ目完成

テストプレイでチェック


●王様と話す前に船長に話しかけた場合(1ページ目)


●王様と話したあとだと船がもらえる!(2ページ目)


●フィールドに船が出現していることも確認


●船を手に入れたあとの船長のセリフ(3ページ目)

このイベントでは3ページ分のチェックが必要となります。まずテストプレイを開始してすぐに「みなと町」に向かい、船長に話しかけた場合。このときは王様と話していないので1ページ目の内容が実行されるはずです。次に「はじまりのお城」で王様と話したあとに船長と話した場合。このときは2ページ目の船を手に入れる内容になるはずです。町の外に船が出現していることも忘れずに確認しましょう。最後は、船を手に入れたあと再び船長に話しかけた場合。ここで3ページ目の内容が実行されれば成功です。

第9回はここまでです。次回は、ダンジョン作りに挑戦します。

今回のプロジェクトデータ:vx_kouza09.exe (418KB)
※RPGツクールVX体験版では[プロジェクトを開く]の機能を使うことができません。こちらのサンプルデータを読み込むためにはRPGツクールVX製品版が必要となります。あらかじめご了承ください。

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