初心者向けRPGツクールVX講座、第5回目です。
第4回では、王様との会話イベントを作り、スイッチを使い方の基本を覚えました。
今回はイベントの作成からちょっと離れて、主人公キャラクターを作ってみたいと思います。
『RPGツクールVX』では、サンプルデータとして、最初から主人公キャラクターやアイテム、モンスターのデータが登録されています。これらはデータベースと呼ばれる画面で一括管理されています。
データベース画面は、このアイコンをクリックすることで呼び出せます。
[データベース]で設定する項目はタブで分けられています。いちどにすべての項目を設定するのではなく、必要に応じてこの画面を呼び出し、編集していくことになります。ここではプレイヤーの分身、主人公キャラクターの設定をします。
主人公を設定するときは、一番左にある[アクター]のタブを選びます。
●[アクター]の画面
画面左側のリストがすでに登録されているキャラクターです。製品版には8体のサンプルキャラクター(体験版では4体)が用意されています。今回はサンプルキャラクターを残したまま新しいキャラクターをふたり追加します。
左下にある[最大数]の変更をクリックします。
●最大数の変更ダイアログ
ふたりのキャラクターを追加するので、最大数を2増やして[OK]をクリックします。
これで2キャラクター分の設定枠が追加されました。
リストの009:にひとり目のキャラクター「エンタ」を、010:にふたり目のキャラクター「ブレイ」を作ります。[名前]にキャラクターの名前を入力します。その下にある[職業]というは[アクター]タブの隣にある[職業]タブと関係しています。[初期レベル]とは、ゲーム開始時のキャラクターのレベルです。ゲーム開始時のメンバーに含まれないキャラクターについては、最初に仲間になった時に、そのレベルからスタートするという意味になります。特別なこだわりがない限りはレベル1のままでよいです。
[歩行グラフィック]、[顔グラフィック]には、ゲーム内で表示されるグラフィックを設定します。それぞれの枠をダブルクリックすると、グラフィックの選択画面になります。
エンタはActor1の上の段、左から3番目の緑髪の青年にしてみました。
ブレイはActor2の上の段、一番右の帽子をかぶった女の子にしてみました。
職業というのは戦士・魔法使いのようなキャラクタータイプのことを指しています。あらかじめ[職業]タブに設定しておいた職業が、[アクター]タブの[職業]の項目にて選択できるようになります。ここでは最初から登録されている職業を利用します。
「エンタ」は戦士のイメージなので「戦士」を選びます。魔法が使えませんが、ほとんどの装備品が身につけられます。
「ブレイ」は僧侶のイメージなので「僧侶」を選びます。身につけられる装備品が制限されますが、回復魔法を覚えられるようになります。
[初期レベル]の下にある[経験値曲線]の[…]をクリックすると経験値の設定を行なうダイアログが表示されます。ここの曲線を調整することで、キャラクターのレベルアップに必要な経験値を増減することができます。ただし、ゲームバランスとの関係からその調整には慣れが必要となります。上級者向けの設定内容なので、ここでは無理にいじらずに初期設定のままにしておきます。
[能力値成長曲線]の項目にある、最大HP、最大MP、攻撃力、防御力、精神力、敏捷性のいずれかをダブルクリックすると、[能力値成長曲線]ダイアログが表示されます。ここでは、HPやMP、攻撃力などキャラクターのパラメータ(強さ)を決めます。各パラメータは専用のタブに分かれていて、別々に設定します。RPGでは各能力値の成長度に差をつけることで、キャラクターごとの特徴を表現します。たとえば力自慢の戦士系キャラなら、HPと攻撃力が上がりやすい反面、MPと精神力が上がりにくいといった感じです。曲線はレベル1からレベル99までの各能力値をグラフで表す形になっています。数値を直接入力することもできますが、こちらは上級者向きです。慣れないうちは5段階のサンプルデータから成長度を選べる[簡単設定]を利用するとよいでしょう。Aに近いほど上がりやすく(得意)、Eに近いほど上がりにくい(苦手)能力値となります。
能力値とは、主人公キャラクターのパラメータ(強さ)を表す数値です。戦闘時には、これらの数値を元にダメージ計算などの処理が行なわれます。
「エンタ」は肉弾戦が得意な戦士のイメージです。最大HPを「A」、最大MPを「E」、攻撃力を「A」、防御力を「C」、精神力を「E」、敏捷性を「C」にしました。武器を使った攻撃は得意だけれども魔法はまったくダメなキャラクターです。
「ブレイ」は回復魔法が得意な僧侶のイメージです。最大HPを「C」、最大MPを「A」、攻撃力を「D」、防御力を「D」、精神力を「A」、敏捷性を「C」にしました。魔法が得意だけれども武器を使っての攻撃は苦手なキャラクターです。
[初期装備]ではゲーム開始時にキャラクターが装備している武器、防具を設定します。[▼]をクリックすると、装備可能な装備品のリストが表示されます。リストに表示される装備品は、キャラクターに選択されている[職業]によって異なってきます。
[オプション]もキャラクターの特徴を表現するための項目です。チェックをつけることで有効になります。盾を装備できない代わりに武器をふたつ持てる[二刀流]など、キャラクターの個性を表すことができます。このオプションはお好みでつけてみるとよいでしょう。
これでふたりの主人公キャラクター「エンタ」と「ブレイ」ができました。
それでは新しく作ったキャラクターをゲームに登場させてみましょう。
まずデータベースの[システム]タブをクリックします。
左上にある[初期パーティ]という項目でゲームスタート時のメンバーを設定します。最大で4人のキャラクターをメンバーにすることが可能です。最初の状態では写真のようにラルフ、ウルリカ、ベネット、イルヴァの4人が登録されています。
実際に「エンタ」と「ブレイ」のふたりで初期パーティを組んでみましょう。
まず、サンプルで登録されている4人をリストから削除します。
各メンバーを選択して右クリックします。ポップアップメニューから[削除]を選んでください。
この操作を4人分行ないます。
空白になったリストの一番上を選択して右クリック。ポップアップメニューから[編集]を選びます。
●[初期パーティ]ダイアログ
[初期パーティ]ダイアログが表示されます。プルダウンメニューから「エンタ」と「ブレイ」を選んで追加しましょう。
最後にデータベースの右下にある[OK]を押して編集内容を確定します。
テストプレイで確認しておきましょう。テストプレイが始まったら、ESCキーを押してメニューを出します。
「エンタ」と「ブレイ」のふたりがいれば成功です。
第5回はここまでです。