応用編のラストは、画面内を複数のキャラクターが動くという、ちょっと本格的なイベントシーンの作り方を紹介します。
これから作り方を紹介するのは、次のような流れのイベントシーンです。
●王様に話しかけるとイベントシーン開始
●パーティメンバーが王様の前に並んで話を聞く
●主人公が一歩前に進んで、大臣から餞別を手渡される
●再び元の位置に戻って、王様の話の続きを聞く
●イベントシーンが終わり、プレイヤーが自由に操作出来るようになる
まずは、イベントシーンに必要なマップイベントを配置していきます。
ここでは、グラフィックを設定する程度で、他の設定はしなくても構いません。特に動きのあるイベントを作る場合、実行内容を設定する前にマップイベントを配置することで、それぞれのキャラクター(マップイベント)の位置関係が分かりやすくなるので、動かす設定がとても楽になります。
これで、イベントシーンに必要なマップイベントの配置は完了となります。
では、「王様」のマップイベントに、イベントシーンの実行内容を設定していきましょう。設定が長くなりますので、前半、中盤、後半の 3 つに分けて解説します。
話しかけると、[画面のフェードアウト]で暗転させます。これは、これからイベントシーンに入りますよとユーザーに伝える役目もあるのですが、暗転している間にイベントシーンのための「仕込み」を行うのが一番の目的です。「仕込み」の過程がプレイヤーに見えてしまうと萎えてしまいますので、何も見えなくなる暗転中というのは好都合なのです。
赤い枠で囲っている部分が暗転中の設定です。
まず、イベントシーンの邪魔になるので、[透明状態の変更]でプレイヤーキャラクターを透明にしてしまいます。
次に、下の画像で青く囲んだ位置に場所移動([フェード]なし)を行っています。
ゲーム画面は、基本的にプレイヤーキャラクターを中心にとらえます。ですので、イベントシーンの登場人物が一通り画面内に入り、さらにメッセージウィンドウが表示されても登場人物に重ならないような位置に、プレイヤーキャラクターを場所移動させたのです。オリジナルのイベントシーンを作る場合は、テストプレイで実際にチェックしながら、ベストポジションを探すと良いでしょう。
その後、スイッチ「謁見イベント開始」を ON にします。これで、③~⑥のマップイベントのグラフィックが表示されるようになり、さらにプレイヤーキャラクターは透明になって見えなくなっていますから、隊列を組んでいたパーティメンバーが王様の前に並んで見えるようになるわけです。
これで、一通りの「仕込み」は完了しましたので、[画面のフェードイン]で暗転を終了させます。
なお、所々[ウェイト]を入れていますが、これは王様に話しかけてからワンテンポ遅れて暗転した方が良かったり、暗転時間が短すぎると感じたために入れているものですので、好みでウェイト時間を変更しても構いません。
あとは、[文章の表示]で王様の話を設定しています。
中盤のポイントは、キャラクターの動きの設定です。
王様からの餞別を、王様が直接手渡しするのもどうかと思いましたので、大臣から手渡すようにしています。
まず、大臣を動かして王様の方を向かせます。その後、60 フレームの間[足踏みアニメ]をさせて、大臣から王様から手渡されているという演出にしています。その後、下を向いて受け取りに来るのを待ちます。
次に、主人公(ここではアーネスト)が一歩前に進み、餞別をもらったというメッセージを表示しています。ここは、メッセージを表示する前に、大臣と主人公がお互いに[足踏みアニメ]をして、大臣から手渡されている演出を入れても良いかもしれませんね。
その後、王様に背を向けるのは失礼だろうということで、主人公の向きを固定して、前を向いたまま一歩下がるようにしています。そして、主人公が下がったのを受けて、大臣が元の位置に戻ります。
後半は、イベントシーン終了の処理がポイントです。
イベントシーンが一通り終わったら、[画面のフェードアウト]で暗転させます。イベントシーンが終わったとプレイヤーに伝えると共に、暗転中にイベントシーンの「後片付け」をするのが目的です。
まず、スイッチ「謁見イベント終了」を ON にして、③~⑥の主人公とパーティメンバーのマップイベントのグラフィックを消します。次に、[透明状態の変更]を OFF にして、プレイヤーキャラクターが見える状態に戻します。
また、イベントシーンが終わったら主人公の位置が変わっているのは変ですので、プレイヤーキャラクターを③の主人公がいた位置に場所移動([フェード]なし)させます。向きも[上向き]にして、イベントシーンでの向きと合わせています。
これで、イベントシーンの「後片付け」は完了しましたので、[画面のフェードイン]で暗転を終了させます。[ウェイト]を設定して間を適度に調整しているのは、前半と変わりません。
今回紹介したのは手軽な部類に入るイベントシーンですので、本格的なイベントシーンになればなるほど、必要な設定はさらに増えます。ですが、一つ一つの設定は難しくありませんので、ぜひともチャレンジしてみてください。
ちなみに、作成例の中では「謁見イベント開始」と「謁見イベント終了」という 2 つのスイッチを使用していますが、これを変数で代用する場合は、スイッチ「謁見イベント開始」ON は、変数「謁見イベント」に 1 を代入に置き換えられますし、スイッチ「謁見イベント終了」ON は、変数「謁見イベント」に 2 を代入に置き換えられます。