ゲームを作る上で、「スイッチ」の存在は欠かせません。これがないと、ゲームを作れないと言っても過言ではないでしょう。
そこで、ここでは「スイッチとは何なのか?」について解説したいと思います。
まずは、次の画像を見てみてください。道にマップイベントが作成されています。
このマップイベントは、[トリガー]が[プレイヤーから接触]になっており、[実行内容]は以下のように設定されています。
ですので、ゲーム画面上ではこのように表示されます。
ところが、ここから出口へ向かおうと少し進んだものの、宝箱の取り忘れなどに気づき、来た道を戻ったとしたらどうなるでしょう?
●出口は逆なのだが……
出口が逆方向にあるにも関わらず、再びセリフが出てしまいましたので、非常におかしくなってしまいました。こんな時、「セリフを表示した」ということを記録出来ていれば、それを条件にして、まだセリフを表示してない時だけセリフを表示すれば良いことになります。
続いて、こちらの画像を見てみてください。
プレイヤーキャラクターの先に、キラキラ光る場所があります。ここを調べると、アイテムを入手出来るとしましょう。その場合、ここに作成するマップイベントは、[トリガー]が[決定ボタン]で、[実行内容]は次のようになります。
そして、ゲーム画面上ではこのようになります。
では、このマップイベントをもう一度調べるとどうなるでしょうか?
このように、再びアイテムを入手出来てしまいました。ですので、ここを何度も調べれば、アイテムを無限に入手出来てしまうことになります。
こんな時、「アイテムを入手した」ということを記録出来ていれば、それを条件にして、アイテムを入手していない時だけアイテムを入手出来るようにすることが出来ますので、アイテムが無限に手に入ってしまうことはなくなります。
この「○○した」ということを記録しておくものが、「スイッチ」なのです。
「スイッチ」は、最初は OFF になっており、ON と OFF とを自由に切り替えることが出来ます。
ですので、最初のダンジョンの出口付近の例の場合は、セリフを表示した後で「セリフを表示した」というスイッチを ON にするようにすれば、次のようにイベントの実行内容を切り替えられます。
また、2 つ目の例であるアイテム入手の場合は、アイテム入手後に「アイテムを入手した」というスイッチを ON にするようにすることで、次のようにイベントの実行内容を切り替えられます。
「死亡フラグが立った」のように、「○○のフラグが立った」という言葉を使ったり、聞いたりしたことのある人は多いと思いますが、この「フラグ」を「スイッチ」に置き換えてみてください。
人によっては、「フラグ」に置き換えたこちらの方が分かりやすいかもしれませんね。
この 2 点に関する「どこ」の組み合わせによって、作成出来るイベントの幅は大きく広がりますし、これを使わないと作成出来ないイベントも多数存在します。
「スイッチ」の役割と重要度について、理解出来ましたでしょうか?
「スイッチ」には、普通の「スイッチ」の他に「セルフスイッチ」というものがあります。
「スイッチ」は、ゲーム全体で共有するものです。ですので、あるイベントでスイッチを ON にし、別のイベントでそのスイッチの状態を参照してイベントの実行内容を変えるということが出来ます。
一方、「セルフスイッチ」は、「セルフ(自身)」の名の通り、個々のマップイベントの中だけで有効なスイッチです。A、B、C、D という 4 つのセルフスイッチが用意されていますが、他のマップイベントのセルフスイッチの状態を参照することは出来ません。
したがって、他のイベントからも参照したいものは「スイッチ」で記録するようにし、他のイベントからは参照しないものは「セルフスイッチ」で記録すると良いでしょう。