マップイベントには、実行内容を設定して使う以外にも、マップの装飾をするという役割もあります。ここでは、そんなマップの装飾例をいくつか紹介します。
タイルセットのセット A にあるマップタイルの上には、セット B ~ E のマップタイルを重ねることが出来ます。しかしながら、セット B ~ E のマップタイルの上にセット B ~ E のマップタイルを重ねることは出来ません。これは、セット B ~ E のマップタイルが「上層」に置かれるため、新たなマップタイルを置いても層が同じなので置き換わってしまうためです。
しかし、マップイベントを使うと、セット B ~ E の上にマップタイルを重ねたり、装飾したりすることが出来るようになります。
まずは、この民家を見てみてください。
この民家の屋根に煙突を置こうとすると、このようになります。
セット C にある屋根の上にセット B にある煙突を置いたため、上層のマップタイルが煙突に置き換わってしまい、屋根が消えて地面が見えるようになってしまいました。
そこで、この位置にマップイベントを作成します。グラフィックは[Tileset-B]から煙突を選びます。煙突を置く位置の屋根は通行設定が[★]になっていますので、[プライオリティ]は[通常キャラの上]にしておきましょう。[実行内容]は一切設定する必要はありません。
煙突のグラフィックをしたマップイベントが置かれたのが分かると思います。
これをゲーム画面で見ると、このようになります。
このように、上層タイルである屋根の上に、同じ上層タイルの煙突を重ねることが出来ました。マップイベントのグラフィックには、セット B ~ E までのマップタイルも選ぶことが出来ますので、このテクニックは様々な場面で活躍します。ぜひ覚えておいてください。
続いては、こちらの内装にあるテーブルを見てみてください。これはセット B や C にあるテーブル(タイルセットによって異なります)ですので、マップの作成ではテーブルの上に物を乗せることは出来ません。
そこで、「作成例(1)」の煙突同様に、マップイベントを使ってテーブルの上に物を乗せてみましょう。ここでは、「!Other3」にあるコーヒーカップのグラフィックを選択します。「!Other3」はキャラクター素材ですから、[向き固定]にチェックを入れるのを忘れないようにしましょう。
すると、ゲーム画面上ではこのようにテーブルの上にコーヒーカップが乗っています。
「!Other3」には、他にもこの「丸テーブル」の上にピッタリと乗せられるグラフィックが用意されていますので、マップの装飾にぜひ活用してみてください。
民家の煙突から煙を出してみましょう。
煙突の位置にマップイベントを作成します。グラフィックは、「!Other2」にある煙を選択し、[足踏みアニメ]と[向き固定]にチェックを入れ、[プライオリティ]は[通常キャラの上]にしておきます。これで、煙突の煙は完成です。
ゲーム画面上では、このように見えます。
滝の装飾にマップイベントを使うと、見映えがとても良くなります。
下の画像はマップタイルで滝を作っただけの状態ですが、このままだと「滝」と「川」部分の境界が不自然に見えてしまいます。
そこで、滝の下側から 1 タイル下の位置と、滝の上側にそれぞれマップイベントを作成します。どちらのマップイベントとも、グラフィックは「!Other2」にあるものを選びます。
●上側のマップイベントには左の画像を、下側のマップイベントには右の画像を選択する
そして、[足踏みアニメ]と[向き固定]にチェックを入れれば完成です。
あとは、上側のマップイベント、下側のマップイベントの両方を、滝の横幅に合わせてコピーして横に敷き詰めておきましょう。
すると、ゲーム画面上ではこのように見えます。
滝が、とても自然な感じになって見映えが良くなりました。
暖炉の炎やランプも、マップイベントで作成することが出来ます。アニメーションによって炎がゆらめきますので、炎の雰囲気がとても良く出てくれます。
暖炉には、炎を置けるスペースが用意されていますので、その位置にマップイベントを作成します。「!Flame」には、暖炉の炎用グラフィックが用意されていますので、その中から好きなものを選んでください。その後、[足踏みアニメ]と[向き固定]にチェックを入れるのも忘れないでください。
実際のゲーム画面で確認すると、このようになります。
暖炉の炎と同様の設定方法でランプやキャンドルなども作成出来ますが、VX Ace の RTP には、大きく分けて 2 種類のグラフィックが用意されています。
まず、「!Flame」には、壁に設置したり、オートタイルのテーブルや床に置いて使えるものが入っています。
そして、「!Other3」には、セット B や C にあるテーブル(丸テーブル)の上に乗せられるものが入っています。
置く場所によって、これらを使い分けてみてください。
紹介例の最後に、水面から顔を出す岩を作ってみましょう。
ここまで何度も解説してきた通り、[足踏みアニメ]と[向き固定]にチェックを入れておきます。グラフィックは「!Other3」の中から選びましょう。水面から顔を出す岩だけでなく、水面から飛び出た木の杭もありますので、こういったマップイベントによる装飾を川や池などに加えるだけで、マップの雰囲気がとても良くなります。